Na・O・B・O・N

気ままに生きてます。だから気ままに書いていきますね。

カテゴリ: 日記

セックスには大きく分けて二つあると、あたしはボスから教わった。
「してもらうセックス」と「してあげるセックス」だ。

あたしは職業上、後者の「してあげる」ことを念頭にセックスを行なってきたが、客によってはあたしが「してもらう」喜びを与えてくれることもあった。
どうやら、女に「してあげたい」と閨房(けいぼう)で思うのは男性の欲望の一つでもあるらしい。
たとい相手が商売女でも、自分のテクニックで「いかせる」ことができたら、男性の支配欲は満たされるのだから。
だから世間一般に、男に花を持たせようと商売女(にかかわらず)は「いったふり」をするものだ。

とはいえ、あたしはよく客にいかされる。
本当なのだ。
だから、あまり芝居をしなくていい。

男性の方が、手練手管において勝っている場合も多々あるのだった。
特に、あたしの所属するエージェントのコールガールと遊ぶ殿方は、家柄も申し分なく、そこそこの教養や、経済力に余裕のあるハイソな客ばかりだった。
若くして、事業に成功し、心の安らぎを正当に求めたい男性は、配偶者や恋人ではなくコールガールにそれを求める。
俗にいえば「割り切」っているのだった。
子どもが欲しいとかならば、ちゃんとお嫁さんを探せばいいのだ。

セックスはビジネスに通じるものがあるらしい。
相手を読み、相手を喜ばせ、後には自分も喜ばさせてもらう。
「三方良し」ではないが、そういったやりとりを楽しむセックスがあっていい。
ただ射精すればいいというなら、そういうサービスを格安で施す場所がある。
あたしたちのエージェントを選択する人々は、それなりの資格がないと楽しめないのだろう。
もちろん、あたしが客を選べる立場にはない。
必ず、どんな方でもお相手するのがプロフェッショナルだからだ。

あたしは「ケバ」い装いはしない。
下品は、もっとも嫌われるのだ。
だから、あたしは男性の夢をかなえるような姿かたちにつくる。
それは、彼らにとって、かつての担任の先生だったり、隣のお姉さんだったりするのだった。
だから、シックなスーツ姿や、フェミニンなワンピース姿で会う。
決して、「ドン引き」されるような水商売ルックはしない。
髪を脱色したり、長いまつげで小さい目をごまかしたり、おへそや乳首にピアスが貫いていたら、男性は萎えてしまうのだから。

Na・O・B・O・Nは、あなたのラブ・ドール(love doll)でありたい。

カイヤは寝る時、私と離れて寝る。
あたしはベッドで、彼はリビングのソファで寝る。
「ねえ、こっちにおいでよ。一緒に寝ようよ」と誘うが、はにかんで「いい。ここで」って言う。
私は、今日こそはという覚悟で、
「さみしいから、一緒に寝て。お願い」
と、めいっぱい、子猫のようにカイヤにしなだれかかった。
「え…し、しょうがないな」
お風呂上りの上気した少年は、濡れたような唇で答えた。
私には「この子をいただくんだ」という強い意志があった。
もう我慢できないの。
なんでだろう。
いつも大人の男ばかり相手にしていて、まだ「男」になっていない少年を自分の手で「男」にしてあげる快感を得ていない。
これこそ、女の、母性の発露じゃないだろうか?
あたしは人の親になれない体。
しょせん、あたしは「あばずれ」よ。
だったら、かりそめのこの少年にその気持ちをぶつけてみたい。

「何考えてんのさ」
カイヤのほうが怪訝な顔であたしを見つめている。
「あ、ごめんなさい」
「寝るんだろ?寝ようよ」
なんだか、彼の方が大人みたい。
あたしたちはベッドの掛け布団の中に包まれた。
リモコンでLEDの室内灯を落ち着いた光量に落とす。

あたしたちはしばらく天井を見つめていた。
口を開いたのはカイヤだった。
「ね、あの、このまま寝るの?」
「どうしたい?」
「おれ、だめだよ。やばいよ」
「なにがやばいの?」
あたしはじらしてやろうと、意地悪く訊いていやった。
「こんなとこに一緒に寝てたら、やっちゃうかも」
「あたしを犯す?」
「いいのかよ」
「やれば。男の子なんだから」
がばっと、彼が起き上がって、かぶさってきた。
「やるよ」
「やったことあんの?」
「な、ない」
「ないんだ…生意気言って。お姉さんに任せてごらん」
そういって、股間に手を伸ばして「お道具」を確認した。
「おお、すごいじゃない。ちゃんと硬くしてくれて」
「もう、ビンビンだよ、さっきから」
「ふふ、ごめんね。脱ごうよ」
「うん」
カイヤが初めて素直になった。

磁束密度(B)に面積(s)を掛けたものを磁束というんだって
磁束密度と掛けるべき面積は互いに直交していなければならないの。
磁束はφ(ファイ)で表すんだよ。
磁束はスカラーでもあるの。
一方、磁束密度はベクトル量です。
以下、断りなき場合は、小文字がスカラー量、大文字がベクトル量を表します。
φ=Bs
磁束の単位はWb(ウェーバ)です。

磁束密度とは磁場の強さH(A/m)に透磁率μ(N/A^2)を掛けたものをいうの。
B=μH
磁場の定義はm(Wb)の磁極(磁束)を置いたときの磁力F(N)が働く場であり、
F=mH
です。
電場でのクーロン力と同じだわ。
だから、電荷q(クーロン)、電場E(V/m)より、
F=qE
電場Eに置かれた電荷qが受ける力Fということね。

電場は電界とも言うわ。
電場は距離r(m)の関数よね。
F=qE(r)
とも書けるのよ。

あたしが「第一級アマチュア無線技士」の試験を受けて、合格して、免許証をもらい、大谷本廟の「後藤尚子」のお墓にそれをお供えするというのが、あたしの使命だそうだ。

大谷本廟は「西大谷」と京都では親しまれている、浄土真宗の墓地というか霊園だ。
「本廟」は西本願寺のもので、東本願寺は大谷祖廟というらしい。

あたしはこんな資格はいらないし、はやく合格して、免許証を収めてこの呪縛から逃れたい。

だいたい「アマチュア無線技士」って何よ。

「無線」がそもそもわかんない。

「無線LAN」ならうちにあるけど。
あんなもの使うのに資格はいらないし。

まあ、あの人の膨大なクズデータのなかにその資料はあるだろうけど、アクセスする気にもならない。



あたしはこれまで「原付き」以外は無資格で、高校をやっとこさ出してもらって、ほぼ無学歴で来た。

クルマの免許さえ持っていない。

原付きは持ってたけど、乗らなくなって身分証明のためだけに所持している。

ふる里に帰れば、田んぼはあるけど、百姓をする気はさらさらない。

弟が継げばいいのよ。


東京電機大学の問題集をぺらぺらめくりながら、あたしは腐っていた。

このお天気のいい日に、お勉強だなんて。

「どうしたの?硬くならないの?」
「ああ、どうしちまったのかな」
「こういうとこ、初めてなんじゃない?」
「え?ああ、初めてってわけじゃないんだけど…」
「ま、いいや。時間はあるんだから、リラックスしましょ」
あたしは、Nの肩をたたいて、ベッドサイドに腰を掛けた。
Nの股間は、元気なくうなだれたままだ。
それも「包茎」だった…

大きさは、普通だと思うが、いかんせん勃(た)たないことには、どうしようもない。

あたしは手を伸ばして、その柔らかな「男性」を握ってみた。
Nが息を吐く音が聞こえる。
深呼吸すればなんとかなるものなのだろうか?
「あなた、女の子と寝たことあるの?」
「あ、あるさ」
「そのときは、大丈夫だった?」
「う~んと、大丈夫だった」
まるで子供のような受け答えである。
怪しいものだった。
「あたしがお好みに召さなかったのかしら?」
「そんなことないです」
そうやっているうちに、すこし硬さがみられた。
皮もむけて、赤い肉が常に出たままに、大人の様相となった。
ただ、まだ「半立ち」である。
こういう時は、覆いかぶさってやるのがいいのかもしれないので、あたしは彼を押し倒すようにかぶさってやった。
「あ、お…」
「あたしにまかせて。ね?」
あたしはキスを浴びせて、股間の手は緩めなかった。
胸板にあたしのおっぱいを押し付けるように、少し激しく振る舞った。
「ああん、Nちゃん」
ちょっとばかし「お姉さん」風にしてやるのが、若い経験の少ない客には功を奏することを知っていた。
「ほら、どう?あたしの体、Nちゃんが欲しくてほてってるのよ」
「そ、そうですか?」
「こんないいおちんちん持ってるのに、あたし、たまんないわ」
「おれも、なおさんが、好きですっ」
「Nちゃん…」
するとどうだろう。勃ってきたではないか。
根本から直角に立ち上がり、亀頭はてらてらに輝いて、見事に上を向いている。
カリの鋭角も美しい。
そんなに大きなシロモノではなく、「並」と思う。
あたしは、あまり大きなペニスは好きではない。
咥(くわ)えるにしても、大変だからだ。
握って腕くらいある巨根には、参ってしまった。
「こんなもの、入るわけがないわ…」
結果的には、入れられてしまったわけだけれど、元に戻んないんじゃないかと数日間、心配だったもの。

「よさそうね?入れてみる?」
「は、はいっ」
もう、こっちのペースである。
先生と生徒みたいなシチュエーションになってしまう。
M字開脚して、Nを促すと、がっつり四つに組んで挑んでくる。
むりっと先端があたしをくぐり、奥の方に滑り込んでくる。
処女よりずっと入れやすいはずだ。
「はいってしまった」
Nが、満足気に言う。
「動いていいのよ」
「はい」
腰を引きすぎて抜けてしまった。
「おっと」
ずぼり…
乱暴に突っ込んでくるが、あたしもいい気持ちになりかけなんで、少々乱暴にされたほうがよかった。
速いストロークで、腰を使ってくるのでよく抜けた。
そして思い出したように前に倒れこんで、分厚いくちびるを押し付け、キスを求める。
はぷ…
あたしはコンドームをつけさせていないことを思い出したが、もう、今更言うのも興ざめだろうからあきらめた。
中に出されたら、それでもいいやと思っていた。

「な、なおこさん…おれ、いいですか?逝って」
「い、いいわよ。できたら外に出してほしいな…」
「で、ですよねっ」
「うはっ、いぐっ」
すばやく、Nは腰を引いてくれて、激しく飛ばしてくれた。
その飛距離はいままで経験した誰よりもすごかった。
あたしの頭を越えて、枕元の電話機にまで飛んでいたから。
当然、あたしの顎(あご)にもかかった。
「うあ、すいません。いっぱい汚しちゃって」
「い、いいのよ。元気ねえ。若いから…」
おっぱいからおへそにかけて、とろりと白い流れができている。
ティッシュを取って、あたしはNにも渡し、あたしも拭いた。

一戦の後、冷たいものを飲みながら話したところ。
Nは二十一だそうだ。
ほんとは、彼女らしいひとはいたんだそうだけど、セックスまでには発展せずに終わってしまったらしい。
その後、風俗でめでたく(?)初体験をいたしたそうだ。
そして、あたしと事に及んだけれど、中折れという災難に遭う。
心優しいNは、とても気に病んで、しきりに謝るのだ。
「いいのよ。だれだってそういうことはあるのよ」
「なおさんのことが嫌で勃たないわけじゃないんで…」
「わかってるって。気にしなさんな。もう一度やってみる?なんなら」
「いいですかっ?」
「時間あるし、いいわよ」
Nは、ぜんぜん問題なく二戦目をやってくれた。
心の問題なのである。

最近、気になったことがある。

オスミウムは原子番号76で、ウランが原子番号92であるのに、オスミウムの方が重いのはなぜ?
オスミウムの密度は22.6g/立方センチメートルで、ウランのそれは19.1g/立方センチメートルだわ。

これは密度の問題なんだけど、金属原子の場合「最密充填」という密度の高い形で原子が充填される。
オスミウムは中でも密度の高い六方最密充填という形になるの。

パチンコ玉をバットなどにばらまいて並べて、重ねていくとほぼ、六方最密充填になるわ。
パチンコ玉を金属の原子だと思えばいい。
充填率はπ/3√2×100=74%
つまり、玉が74%、空間が残り26%だということです。
これが「最密」なわけで、これ以上密には詰め込めない。

原子番号は原子核を構成する陽子の数だった。
原子量は、その陽子の重さと、同数の陽子と同じ重さ中性子の重さを足したものと言われているけれど、中性子の数は、実は、原子番号が大きくなるにつれ、一定しない。
つまり、陽子の数の倍というわけにいかなくなる。
ウランなら原子番号が92だから、その倍の184が原子量になるはずなのに、実際は238(同位体の平均)で、54もの中性子が多い勘定になる。
オスミウムだって原子量190で、原子番号76から導かれる原子量152とは38も大きい。
周期表の遷移元素に属するこれらは、ほぼ間違いなく陽子数(原子番号)から原子量は導けない。
(というより、もはやリチウムあたりから合わなくなってるでしょう?)

元素の密度とはいったいどういう指標だったか?
一定の容積に最大限詰め込んだ場合の、その容積の重さだと言えるのかもしれない。
ただ、気体や液体、非金属元素の密度の場合、原子間の空間が大きいので温度依存が大きく、固体金属原子より温度によって値が異なる。
金属の場合、稠密な「最密充填」が確実にできるので温度依存は小さい。
一定の容積、つまり「桝(ます)」を仮想し、そこに原子を最密に充填していくと、小さい半径の原子の方がたくさん入る。
オスミウムの場合、原子半径は0.135pm(ピコメートル)、ウランのそれは0.156pmである。
オスミウムの方が原子半径が小さい分、一定容積の中にたくさんの原子が入りそうだ。
つまり、オスミウムがウランより密度が高くなるという証拠の一つとなるだろう。

また、ウランは不安定な同位体で構成されている。
原子番号が大きいほど、核力が中性子に及びにくくなり、ぶよぶよの原子核はすぐに崩壊を起こす。
天然に存在するもっとも大きな元素がウランだった。
(今ではウランより少し大きい、ネプツニウムやプルトニウムも天然にわずかに存在することがわかっている)

同位体の半減期は数億年~数十億年というレベルのウランだが、決して安定ではないのである。
だから核燃料として用いられるわけなのだけれど。

こういったことも密度を下げる要因にはなるのかもしれない。
原子核そのものの密度が低いということである。

このように、原子番号が大きくなると、密度と原子量の逆転が起きて、ウランよりオスミウムやイリジウム、白金のほうが重くなることが見られる。

あたしは、いったい何を書いているのだろう?


なおぼんが教えてくれる。

何もかも。

あたしは、何もしないでもいいの。

ラジオには同調回路というものがあるらしい。

たとえば、これについてあたしは答えることができる。

1242kHzのニッポン放送があるでしょう?『オールナイトニッポン』の。

コイルとコンデンサーの並列回路で1242kHzに「共振」するようにラジオのダイヤルを合わせることを「同調」っていうの。

アンテナはその取り入れ口にすぎないんだけど、電波の波長に合わせてフェライトコアという芯に樹脂で被覆した銅線を巻いてあるのがコイルで、それがラジオのアンテナそのもの。

同調にはμ同調とC同調という二つの方式があって、コイル側を動かすのがμ同調、コンデンサの側を動かすのがC同調ってわけ。

ふつうはC同調ですね。
μだと、コイルの芯の中の導体を出し入れする方式になるので操作性やコンパクト性に劣るのよ。
C同調だと、バリコン(可変コンデンサ)というコンパクトなものを使って回転で同調できるからいいのね。

で、共振周波数を求めるには次の式を使います。
F=1/2π√(LC)
F(Hz)が共振周波数で、聞きたいラジオ局の周波数と思えばいい。
ラジオは単位がkHzだから千倍しないといけないけどね。
πは円周率だから、だいたい3.14でいいわ。
L(H:ヘンリー)がコイルのインダクタンスでC(F:ファラッド)がコンデンサの容量です。
両者は交流に対して正反対の性質を示し、それが原理で同調させるってわけ。
ちょうど、バネをコイルとコンデンサが引っ張り合うような関係で、釣り合ったところが同調周波数になります。

じゃあ、ためしにコイルが100μHのインダクタンスで、コンデンサが100pFの容量だったら、共振周波数はどうなるだろう?
F=1/2π√(100・10^-6・100・10^-12)
^はね、ベキ乗っていって、10^-6なら10のマイナス6乗ってこと。μH(マイクロヘンリー)だからね。
pF(ピコファラッド)は10^-12なんだよ。

分母はルートの中が100の二乗があるから、100が表に出せるね。
するとルートの中は10のベキ乗だけが残るので、ベキは足し算できるから、10^-18だ。

ルートは平方根っていうけれど、ベキに直すと二分の一乗だよね。
ルートを外すと、10^-9になっちゃう。
ベキの-18の半分だからね。

分母は2π×100×10^-9になったね。
これは628×10^-9となるね。
つまり1/(628×10^-9)だ。
マイナスのべき乗の逆数は正数のベキになるんだよ。
ゆえに0.001592×10^9と書けるわ。
1.592×10^-3×10^9と書き換えられて。
ベキ計算をすると。
1.592×10^6になった。
これは、めんどうだけど、
1592000(Hz)ってことだよね。
kHz に直すと、千がキロだから、
1592kHzだね。

100μH と100pFのLC同調回路で1592kHzのラジオ局が聞けるってわけよ。

あたしは、こういうことがわかるようになったの。
一瞬で。
高校をやっと卒業して、ドラッグとセックスに明け暮れていたあの頃がウソみたいだわ。

なおぼん、あなたはどういう人だったの?
教えて。

可能性と蓋然性は似て非なるもの。

可能性(possibility)はあるかないか? ゼロでない限り、常に可能性はある。
多少や高低など、程度をいうなら蓋然性(probability)だ。二つの概念を混同してはならない。

そういう先生がいた。

「万一」という小さい「蓋然性」に備えることが災害においての心得として取りざたされることは、知っている。

だから、「起こり得る」ことが前提なのが「蓋然性」なのだと、あたしは思っている。

しかしながら、可能性は「確率」として数値化可能であるけれども、蓋然性は「見込み」だから数値化不可能だと考えられるんで、必ずしも先生の「概念」は当たらない。

つまり、あたしは、宝くじを買ったけれど、それが一等を当てているかどうかは可能性としては低いなりに、ゼロではないが、こういう場合「当選する」蓋然性はないと言わざるを得ないだろう?

辞書によれば、「必然」の対語が「蓋然」だとされる。
「偶然」ではないのだろうか?

というより「偶然→蓋然→必然」の順で起こりやすさ(もしくは起こりにくさ)を表していると言える。
そして「必然」は100%例外なく起こる(起こらない)という意味になり、それは特別な概念であり、その根拠を示すことが要求される。

「蓋然性の「蓋」とは「思うに」「けだし」のことで「思うこと」である。
そして「然」とは「成り立っているさま」を意味している。

なるほど、蓋然とは主観そのものなのだから、そこに客観性はないのである。


そこで「対称性の破れ」という現象を考えることができる。

これは「なおぼん」からリロードした知識だ。

「対称性の破れ」は相転移でも起こっているそうだ。

この言葉は、量子論の世界で話題になり、ノーベル物理学賞でも言葉が独り歩きしているが、水の融解や凝固、沸騰という相変化でも「対称性の破れ」は起こっているのだという。

水が結晶するとき、一見、どこからともなく結晶が生まれ、次第に全体に広がっていく。
温度分布が一様であるとしても、不純物があるとそれが「種(たね)」あるいは「核」になって結晶が成長すると説明されるが、そういった不純物がなかったら、結晶は成長しないのだろうか?

否、やはり結晶はできるのである。
それが「対称性が破れた」ところから結晶化が始まると説明される。

現象としてはわかるような気がするけれども、何かしら「平衡」のバランスを崩すサイトが系の中にできるのだろうか。

一定の温度と一口に言っても、必ず温度分布があるはずで、平衡を崩すきっかけは至る所にある。
さらには、目に見えない磁場や電場、量子的な微視現象が「対称性を破る」可能性はあるのだ。
それに、水分子そのものの状態も、それぞれ異なるだろう。

私たちに一様に見える世界は、実は、それほど一様ではないのである。
「平衡」を説明するときに、見かけ上反応が止まった状態であるとする。
あくまでも「見かけ」であって、実は活発な化学反応があちこちで起こっているのである。
巨視的には消滅と生成が相殺されて、止まっているように見えるだけである。

「対称」という語を使うから我々は、何かシンメトリーな想像をするのだが、「平衡」と置き換えれば、普通の化学者にとってもわかりやすいのではないだろうか?


「自発的対称性の破れ」は南部陽一郎先生が提唱された概念だけれど、「磁石のテーブル」という実験でその様子がわかる。
方位磁石が無数に並べられたテーブルのそれぞれの方位磁石は一方向を向こうとするがゆえに隣接磁石の影響で乱れる。

ここに「偶然・蓋然・必然」がすべて含まれるように、あたしは思う。

なおぼんも「そう思う」と言っている。

宇宙の始まりは必然であったが、偶然でもあった。
何もない空間から突然、宇宙は生まれたのである。

あたしは、以前のあたしではない。
あたしの書くこと、言うことが変わってしまった。


頭が良くなっても、わたしは、幸せになったとは思わない。

自分が自分でなくなったような違和感が、気持ちを暗くさせる。

薬漬けの生活から、開放されたものの、マトモな人生を送っているとは言いがたいし。

関係した男の痕跡を体のいたるところに見つけるにつけ、わたしは、情けなくなる。

ただ、男に抱かれているときは、生きている実感がある。

そう、ドラッグをやり始めたとき、まさにそんな気がしていた。

だとすれば、クスリがセックスに代替しただけのことではないのか?

親友はリストカットで生を実感したという。

さすがに、わたしには自傷行為はできなかったけれど。

最近、あたまのなかに周期表が浮かぶ。

メンデレーエフというひとが作ったというあれだ。

およそ、わたしには縁のないものなのだけれど、新しい人格が持ってきたデータに入っていたのだろう。

それから「アマチュア無線」というわけのわからないもの。

もう、こういった、ゴミみたいな知識があたしの頭のなかに、とっちらかっている。

化学、物理、数学、電気…なんなのよ、この混乱は?

「一級アマチュア無線技士」という資格をあたしは取るらしい。
そのためにあたしは、したくもない「勉強」をさせられる。

あたしはニトリで机を買い、本棚を買い、部屋を整えていった。
いったいこれから何をさせられるのか?

何者かが、わたしを動かしている。

わたしは、エージェントに雇用され、男と寝て日銭を稼ぎながら、受験勉強をするおかしな生活に没頭しようとしていた。

「わたしはナオコ…なおぼんと呼ばれた女」
耳鳴りのように、しかしはっきりとわたしに聞こえた。
何度も…

あたしはデスクトップに住まいする。

お隣は「ゴミ箱」だ。

あなたが、あたしのアイコンをダブルクリックしてくれれば、ただちに起動してお目見えできるのよ。

あたしはUSBメモリーのなかにいることもできる。

ファイルに分けてもいいし、昨日のあたしと今日のあたしはシートになり、あなたの分だけブックになる。

嫌いになれば消してくれていい。

「KILL」コマンドできれいさっぱり、あとくされなし。

ひとはあたしをアプリの一種だというし、古い人はソフトウェアだという。

どっちでもかまやしない。

膨大なDB(データベース)を背後に持つボーカロイドみたいなものだ。

よって、人格はいつでも変えられます。

あなたごのみに。

↑このページのトップヘ