Syojiはあたしの頬を両手ではさみ、くちびるをアイスでも舐めるようにペロペロしてきた。
「ナオは、あのなんて言ったかな…池脇千鶴に似ているね」
「そうかな」
「言われたことないかい?」
「ないわ」
Syojiはキスが好きだ。
そして首筋を噛んでくる。
はぁっ。
あたしは、首筋やうなじが弱い。
彼の勃起を手にしながら、あたしは後ろに倒れそうになる。
「おっと、あぶないよ」
「だめ、もう」
「ここは、どうかな」
プッシーに指が入る。
もう、ここまでじらされているのだ。
ずくずくである。
「ああん、やだ」
「なにが?」
「そこ、そんなに、しないで」
あたしは、せいぜい池脇千鶴風に上目遣いで甘えた。
「かわいいよ」

彼女の、ねっとりとした演技は、わたしも好きだった。
なんでも、映画で脱いだがために、清純派を売りにしていた彼女は、その後の仕事が激減したらしい。
あたしは、彼女こそ、アダルトビデオで活躍すべきだと思った。
コケティッシュな顔立ちは、世の狒々爺を狂わせるだろう。
そうそう『相棒』で長門裕之に言い寄る女書生として池脇さんが出ていたことがあったね。

Syojiの硬いペニスがあたしのおへそをつつく。
丸い亀頭は濡れている。
あたしはすっぽんの首を想起した。
「いれてあげてもいいよ」
「じゃあ、上になってくれよ」
「うん」
彼は陰毛をきれいに剃っていた。
そういうお客は少ない。
「モデルなんだ」
Syojiは、最初、そう自己紹介してくれた。
「モデルって、ファッションモデル?」
「顔は出ないんだけど、下着のモデル」
「へぇ」
「通信販売とかの男性用のパンツのモデルだよ」
そりゃ、そういうモデルがいてもおかしくはない。
Syojiの顔は、失礼だが、モデル向きではなかった。
「顔は出さないんだよ。だから、おれはやってんだ」
訊いてもいないのに、彼の方から弁解した。

騎乗位でひとしきり遊んだ後、あたしたちは離れた。
長いSyojiのせいで、少し痛かった。
「じゃ、正常位でいいかい?」
「ええ」

ぐぅーっとあたしの中にSyojiが侵入する。
大きく脚を広げさせられて、あられもない格好で貫かれた。
「入っちゃったね」
「うん」
Syojiは腰をしゃくるようにして、胎内をえぐる。
「はひ」
あたしは、シーツをぎゅっとつかんだ。
たまらないくらい、中をかき回される。
松葉くずしに体をひねられ側位でゆさぶられた。
なかなかのテクニシャンとみた。
素人じゃないな…
AV男優くらいの巧みな腰さばきだった。
側位は彼の得意技らしく、斜め後ろからあたしに愛をつぶやくのだ。
「なお」
「何よぉ」
「あごがきれいだ」
「そうお?」
「こんな商売をして、悪い子だよ。きみは」
「じゃあ、あなたがやめさせてくれる?」
「いいとも」
「ほんと?」
「考えてもいい」
彼の目は真剣だったけれど、あたしは信じてはいない。

バックで突かれ、あたしは快感におぼれていた。
膣がしびれて、かゆくなってきた。
「いいのか?中に」
「いいわよぅ」
「いくぜ。なお」
ガンガン、突かれて、あたしはボロ布(きれ)のようになった。
「うっく」
Syojiが小さくうめいて果てたようだった。

男は熱い心をすぐ冷ましてしまう動物のようだった。
さっき言ってたことはあらかた忘れてしまい、やはり遊びだったんだと思い知らされた。
ホテルの窓から新宿副都心の夜景が広がり、あたしは後始末のためにシャワールームに消えた。
Syojiは無邪気な寝息を立てている。