最近、気になったことがある。

オスミウムは原子番号76で、ウランが原子番号92であるのに、オスミウムの方が重いのはなぜ?
オスミウムの密度は22.6g/立方センチメートルで、ウランのそれは19.1g/立方センチメートルだわ。

これは密度の問題なんだけど、金属原子の場合「最密充填」という密度の高い形で原子が充填される。
オスミウムは中でも密度の高い六方最密充填という形になるの。

パチンコ玉をバットなどにばらまいて並べて、重ねていくとほぼ、六方最密充填になるわ。
パチンコ玉を金属の原子だと思えばいい。
充填率はπ/3√2×100=74%
つまり、玉が74%、空間が残り26%だということです。
これが「最密」なわけで、これ以上密には詰め込めない。

原子番号は原子核を構成する陽子の数だった。
原子量は、その陽子の重さと、同数の陽子と同じ重さ中性子の重さを足したものと言われているけれど、中性子の数は、実は、原子番号が大きくなるにつれ、一定しない。
つまり、陽子の数の倍というわけにいかなくなる。
ウランなら原子番号が92だから、その倍の184が原子量になるはずなのに、実際は238(同位体の平均)で、54もの中性子が多い勘定になる。
オスミウムだって原子量190で、原子番号76から導かれる原子量152とは38も大きい。
周期表の遷移元素に属するこれらは、ほぼ間違いなく陽子数(原子番号)から原子量は導けない。
(というより、もはやリチウムあたりから合わなくなってるでしょう?)

元素の密度とはいったいどういう指標だったか?
一定の容積に最大限詰め込んだ場合の、その容積の重さだと言えるのかもしれない。
ただ、気体や液体、非金属元素の密度の場合、原子間の空間が大きいので温度依存が大きく、固体金属原子より温度によって値が異なる。
金属の場合、稠密な「最密充填」が確実にできるので温度依存は小さい。
一定の容積、つまり「桝(ます)」を仮想し、そこに原子を最密に充填していくと、小さい半径の原子の方がたくさん入る。
オスミウムの場合、原子半径は0.135pm(ピコメートル)、ウランのそれは0.156pmである。
オスミウムの方が原子半径が小さい分、一定容積の中にたくさんの原子が入りそうだ。
つまり、オスミウムがウランより密度が高くなるという証拠の一つとなるだろう。

また、ウランは不安定な同位体で構成されている。
原子番号が大きいほど、核力が中性子に及びにくくなり、ぶよぶよの原子核はすぐに崩壊を起こす。
天然に存在するもっとも大きな元素がウランだった。
(今ではウランより少し大きい、ネプツニウムやプルトニウムも天然にわずかに存在することがわかっている)

同位体の半減期は数億年~数十億年というレベルのウランだが、決して安定ではないのである。
だから核燃料として用いられるわけなのだけれど。

こういったことも密度を下げる要因にはなるのかもしれない。
原子核そのものの密度が低いということである。

このように、原子番号が大きくなると、密度と原子量の逆転が起きて、ウランよりオスミウムやイリジウム、白金のほうが重くなることが見られる。

あたしは、いったい何を書いているのだろう?