有吉のペニスは曲がっていた。
あたしは多くの男性を見てきているが、このように湾曲しているものは知らない。
だから印象に残っていたのだ。
「ああ、これこれ」
そういって、彼のペニスをなぞるように指を滑らせる。
「なんだよ、これこれって」
「このカーブ、すごいよね…いないよ、こんなの持ってる人」
「そ、そうかい。自分じゃ、気にしてんだけど。奇形かなとか思ったりして」
「ううん、この曲がりが、あたしん中でぐいぐいこするの」
「正常位でかい?」
「そうね…バックかな」
あたしは彼をゆっくりしごきながら答えた。
あたしの手の中で、熱く硬い肉の柱は反りかえる。
「ああ、ひさしぶりだぁ。女に握ってもらうなんてな」
さも、満足げに有吉が胸毛を揺らしながらあたしを見つめる。
男の体臭に包まれながら、あたしは日焼けした男の腕に乳房を押し付けるように添い寝した。
狭い部屋は、有吉の使いやすいようにモノが並べられ、窓も光を遮るように服がつるされていた。
認知症の介護が必要なお父さんはデイサービスに行っているのだそうだ。

古いエアコンが、鈍い音を立てていて、涼しくはしてくれている。
「めったに使わねぇんだども」
と言いながらつけてくれた。
「そろそろ、いいかね」
挿入したいのだろう。
「じゃ、後ろから」
あたしは寝返って四つ這いになり尻を突き出した。
「へえ、積極的だね」
「早くほしいのよ」
「んじゃ」
ぐじ…
そんな感じで重く押し分けてきた。
太い…と思った。
あたしのが狭いのかもしれない。
有吉のまがったなりに押し込んでくるから、あたしがねじられる。
「あはひ…」
「どう?」
「いい、いいに決まってんじゃん」
あたしは乱暴な口をきいた。
「そうかい」
腰を回す様に、差し込んだまま漕いでくる。
うぎ…
喉が詰まったようになって声も出ない。
あたしは汗臭い枕に顔を埋めて、歯を食いしばって快感に耐えた。
有吉は覆いかぶさってきて後ろから乳房を揉みしだいてくる。
ふしくれだった手指がざらついて、乳輪の敏感な部分を摩擦する。
やん…
腕立ての状態で身をおこし、頭がガクリと下がる。
「よう締まるっちゃ」
そんなことを口走りながら、激しく出し入れしてくる。
くっ…う
ずぼずぼと太いものが出入りするので、あたしの内臓が掻き出されるような感じがする。
やはり、すごくいいペニスだと思う。
とろとろとあたしのお汁だろうか、内ももを伝う。
かなり激しく濡れているらしい。
まれなことだ。
耳元で有吉が
「中で、いいか?危ない日か?」
と訊いてきたので、
「いいよ、中にちょうだい」
と答えた。
あたしは仕事柄、薬を飲んでいるから大丈夫なのだ。
「い、いくで」
「来て」
どっどっとSLのように有吉が動きを変え、射精に向かって走り出した。
ううっぐっ…
「いぐっ」
有吉が硬直してあたしに密着してきた。
どくんどくんと送り込まれる精液…
あたしは母になる予感がした。
そんなはずはないのに。
有吉の子供が欲しくなってきた。
この男と横手で暮らすのも悪くないと。
有吉の熱い体の下で、ひと時の愛を感じていたかった。
「いっけねぇ、おやじが帰ってくるべ」
そう言って彼はあたしからそそくさと離れて行ってしまった。

(おわり)