あたしの知人というか先輩に片岡智恵子という人がいる。
御年六十二歳だ。
なのに、すっごくセックスに奔放で、何人かセフレを持っているの。
ビジュアルは地味なおばさんなんだけど、やっぱ、五十代にしか見えない。
お化粧すれば四十後半でもイケるかもしれない。

旦那さんを早くに亡くして、お子さんもいないからかもしれない。
ただ驚くのは、セフレを持ったのが還暦になってからって言うじゃない。
「還暦になってあたし生まれ変わったの」
と、のたまったのだ。
あたし、耳を疑ったわ。
もちろん、いい人ができたからそんなことを言ったんだろうけど。
でも、還暦まで美しく(?)若々しい肉体を維持してたことも大きな理由だと思うのよ。

よく、ほら、還暦を迎えて「山登り始めました」とか聞くじゃない。

あんなノリで智恵子さんは、セックスに目覚めたらしい。

それまでは、職業婦人っていうのかな、柏市の建設会社の事務職をまじめに定年にまで勤め上げたの。
浮いた話もなかったと本人は言ってたわ。
オナニーはしてたらしいけど…
誘ってくださる男性はいたらしいけど、体を求められそうになるような関係にならないようにしてたらしい。
もったいないわね。
あたしに言わせれば。
「死別した旦那さんしか知らなかったの?」と訊いたら、
「うん」だって。
「じゃあ、一人でしてるの?」
「何よぉ…」って照れちゃって、かわいいおばさん♥
今は、通販でオモチャ買えるじゃない。
バイブとか何本か、持ってるってさ。
女の独り者ってそんなもんよ。
あたしも持ってるけど。

「最初のセフレは出会い系で知り合ったの?」
「ま、ね」
「その人がよかったんだ」
「なんていうかねぇ。年下なんだけど、大事にしてくれるの」
「へぇ。いたわってくれるってか?」
「五つくらい年下だから、『ねえさん』って呼んでくれてね」
「シスコンじゃないの?近親相姦フェチとか」
「そうね、訊けば姉がほしかったとか言ってた」
「やっぱり…でも合わせてあげてんだ」
「悪い気はしないわ。あたしだって弟がいたらなぁって思ってたし」
そういう彼女は一人っ子で、お母さんが茨城の牛久にいるらしい。
お父さんは彼女が高校生の時に女を作って出て行ってしまったとか。

「その人以外にもセフレいるんでしょ?」
「なんかモーターの会社の役員さんだった人とか、千葉大学の先生とか」
「すごいじゃない。そんな身分のしっかりした人も出会い系で遊ぶんだ」
「ふつうじゃない?今の時代」
「そうかなぁ」
「そうよ。奥さんに飽き飽きしてんのよ。みんなそう言ってる」
「お金、もらってんの?」
「もらってないわ。いらないもん」と、きっぱり。

「お金、もらっちゃったら、楽しくないと思うの。あたしが生活苦で体を売ってるんだって思われたら、みじめじゃない?」
「そ、そうよね」
たしかに、智恵子さんはお金に困っていない。
マンションだけど、自分の家を持っているし。
「どんなセックスするの?」
「男の人におまかせ…コスプレをしてくれっていわれたら、看護婦さんとかになってあげるし」
「セーラー服とか?」
「あったわよ。先生がそうだった」
「千葉大の?」
「そ」

「ペニスって好き?」
「好きよ。あんな面白いものはないわね」
「大きい方がいいの?」
「大きさはあまり関係ないわ。でもみんなあたしが想像してたより立派だったから、痛かったわ」
「そうなの?フェラもしてあげるの?」
「するわよ。お口の中で出さしてあげる」
「うわ」
「おいしいわ」
「めっちゃすごいよ。先輩」
「そうかしら?みんなしてんじゃないの?」
「してても、お口の中に出されるのは嫌なもんよ」
「好きな人だからいいのよ」
「まあそうね。自分がしてあげて気持ちよくなってくれてんだから、うれしいよね」
「そうなのよ。あたし男の人が逝くときの表情が好きなの」
「ああ、わかる」
「いい顔するのよ」
「そうだよねぇ。子供みたいなね」

今日も、智恵子先輩は、夕方から会社役員だった人とお食事してからホテルに行くんだって。
いいなぁ。
いい年の重ね方だなぁ。