あたしは、彼にまたがらされ、騎乗位で攻めてほしいとせがまれた。
嫌いじゃないけれど、正常位でしばらくは絡んでいたかったのに。

あたしは、お相手の体温を感じていたいのに、騎乗位では、性器でしか接していないのが不満だった。
冬はとくに人肌が恋しい。
激しいセックスよりも、見つめあい、会話を楽しむ交接が心に灯をともすのに。

「ようすけ…」
「なおこ、いいだろ?こういうのも」
「いいわっ、突いて、もっと」
「よぉしっ!」
短いが太い洋輔のペニスがあたしをえぐる。
がっしり型の中年男の執拗さが、あたしをもっとみだらにしてくれる。

洋輔は米屋を営んでいるそうだ。
奥さんも子供さんもいるのに、こうやってあたしと会いたがる。
「お仕事、すっぽかして、あたしとなんか会っててもいいの?」
「かまやしないさ。ヨメが店のことはぜんぶ仕切ってやがるしっ、はっ、くっ」
突きあげながら、器用におっぱいも預かってくれる。
ペニスと同じで太く短い指が乳首を転がすように、つまびくようにいじってくれる。
ようするにマメなのだ。

「ああ、ヨメなんかより、ずうっとなおこのほうがいいぜ」
「うれしいけどっ!ああん、いやいや」
ずんずんとバス(bass)が響くように下腹に来る。
「締まってるね。わかるかい?」
「いやん、はずかしい」
「びしゃびしゃだぜ」
その通り、失禁したみたいに洋輔の鼠径部が濡れている。
ぴちゃぴちゃと子猫がミルクを舐めるような音まで立てて…

あたしは上体をのけぞらせて、かつて観たAVの女優のように結合部分を彼に見せながら、出し入れしてやる。
「おおっ、いいね!それ」
「ふふふ、ああっ、来るっ、来てるっ」
「逝けよ、かまわねぇから」
あたしの顎が上がり、見える景色が背後の壁に変わった。
うぎゃわっ!
ビクビクビク…ピクン
「あ~あ、だいじょうぶかい?いっちゃったの?」
洋輔がなにやら言っているが、遠くで言っているようで聞こえない。
あたしは朦朧として、天井を見ていたようだ。
一度、抜かれて、あたしは仰向けに倒れた。
口角からよだれが伝うのがわかる。
「おい、しっかりしろよ」
「あはあ」
バカのようにひきつった笑みを浮かべていただろう。
久しぶりに逝かされた。
完敗だった。
「おれは、まだなんだけどな」
とかなんとか言いながら、力の抜けたあたしを開いて、上からかぶさってくる。
同時に、貫かれて…
じゅぶ…
たぶん、ゆるゆるのおまんこだったろう。
もう、彼を締めるちからもない。
ただ、ぽっかり開いた穴にすぎないだろう。
「ひっく」
しゃっくりのような痙攣がのどを走る。
その間も規則正しい洋輔のスラストが続く。
あんむ…
厚い唇があたしの口をふさぎ、力強い舌がかき回す。
む…
生臭い男の匂いに包まれ、あたしは汚されるのだった。

こうやって、新年最初の「姫はじめ」は洋輔によって粛々と行われた。
「性姫」の「一年の計」が始まったのだ。